OMAKE


2020/1/8 リメイク版公開
 旧版INSANITYは2012年公開の作品です。(多分) 私にとって(ほぼ)一作目の作品であり、2・3年ほど前からリメイクを予告し公開中止としていました。この作品に関してはあまりに古すぎるため、また色々と目に余る部分も多かったため、PARANOIAC・人魚沼のようにリメイクはせずお蔵入りにしようかと迷っていました。しかしリメイク&再公開に踏み切ったのは、私にとって妙に愛着のある作品だったからです。個々のキャラクターが立ってる訳でもなく、ストーリーも面白味がなく、長所より短所の目立つ作品なんですけどね。不思議と見限ることができなかったんです。そんな感じでなんとなく始めたリメイク作業でしたが、旧版の内容を復習しつつゲームを再構築していくうちに、なぜ愛着を抱いていたかの理由が分かったような気がしました。
 実際にプレイして頂けると分かるかも知れませんが、ちょこちょこ他作品と共通する部分があるんです。キャラのセリフだったり、物語の組み立て方だったり、シリアスな場面にちょっとしたおとぼけが入っているあたりもですね。はっきり意識したことはないけれど、INSANITYにおける他作品との共通項は私が作品を作る上で肝としているところなんでしょう。大袈裟に言うなら、この作品は後に続く作品群のルーツなのかも知れません。だから私も捨てることができず、リメイクに踏み切ったのかも。リメイク版公開を終えた今は、迷ったけど無事再公開できてよかったなあと思っています。
 しかし、いくら愛着があるからとは言え稚拙な部分を残したままにはできません。今回のリメイク作業において、私は自分がかつてやりたかったことや新しく学んだことを沢山取り入れ、今の自分に出来る限りのことはしたつもりです。ほとんどがシステム内部の話になるのでプレイヤー様には分からないと思いますが、旧作からの目に見える進化はゲーム中のキャラクター変更ですね。8年前の旧版製作中、本当はこんな風にキャラクター変更できるゲームにしたかったんですよ。技術力がなくてできませんでしたが。だからリメイク版をキャラ変更ありのゲームにできたのは、私にとって一番嬉しいことでした。
 ところで、他にも色々変更点はありますが、実はストーリーはほとんど変わっていません。キャラクターのセリフもなるべく昔のものを流用しました。旧版から変わっているのはユウキの活躍の場ができたこと、村井視点のシーンが増えたこと(2周目プレイ)くらいですかね。前述しましたが、INSANITYのストーリーは面白いものではないと思っています。それでも変更を加えなかったのは、いくらリメイク版と言えどゲームの土台となるストーリーを変えてしまったらそれは別作品になってしまうのでは? という個人的な考えがあったからです。PARANOIAC・人魚沼のリメイク版でも旧版からストーリーは変更しませんでした。INSANITYはリメイク版になってもドラマチックな展開やキャラクターの深い描写がなく、だいぶあっさりしています。製作中、「とにかくシンプルにする」ことを意識していたというのもありますが。ストーリーに関する作者の正直な感想は、別に悪くはないがそこまで面白味はない、といったところです。そう感じるならストーリーも変えればいいじゃんと思われるかも知れませんが、前述したような個人的意見があること、また、いくら面白味がなく稚拙だとしても8年前の自分が一生懸命考えた物語なのだから残しておいてやろう、という温情があったことから、そのままにすることに決めました。
 辛らつなことを書き連ねてしまいましたが、個人的にはかなりいい形でINSANITYをリメイクできたと思っています。正直なところ、グラフィック・システム面はリメイク作品の中で一番気に入っていますね。内容に合わせてシステムや全体の雰囲気もシンプルにまとめられましたし、作業自体も終始楽しく進められました。私が楽しく製作できたリメイク版を、旧INSANITYを知っている方、知らない方のどちらにも楽しんでもらえたら嬉しいです。
 それでは、最後まで読んで下さってありがとうございました!


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